看護師である前に、
人と人としての関わりを大切に。
人と人としての関わりを大切に。
新人時代のエピソードを教えてください。
新人時代、内科の急性期病棟に配属され、呼吸器疾患や循環器の患者さんに関わりました。印象に残っていることは、呼吸器疾患の高齢の女性の患者さんとの関わりです。新人看護師の私にいつも声をかけてくださり、折り紙で作った手作りの飾り物などを作ってくださる明るくて優しい方でした。突然、呼吸困難で急変し急変処置が行われたとき、私は不安と恐怖とで足がすくんでしまいました。先輩看護師が声をかけてくれて、患者さんを助けたい一心で、できることを対応しました。しばらくは呼吸器を使用していてお話することもできませんでしたが、少しずつ容態が安定し、また笑顔が戻りました。何もできない私でしたが、心から良かったと思いました。
患者さんとの関わりが心に残るのですね。
その方は、新人看護師の私に「頑張るのよ」といつも声をかけてくれました。病を持ちながらも気遣いをいただいていて、私は、看護師である前に人と人としての関わりを大切にしたいと思うようになりました。そして、患者さんを助けるためには、私はまだまだ頑張らないといけないということを、教えてくれた患者さんでした。
看護学生にメッセージをお願いします。
目の前にいる人に手を差し伸べること、思いやりを持って接することを大切にしてほしいです。看護師の原点は「手当て」だと思います。友人や家族との時間を大切にして感性を磨いてください。大切な人のように患者さんを思えれば、自ずと「手当て」ができるようになると思います。