高齢の方、認知症の方への接し方を学んで、
コミュニケーションを楽しんでください。
コミュニケーションを楽しんでください。
どんな新人時代でしたか?
私は営業マンだったのですが、30歳の少し手前で、「人の役に立つ実感を得たい!」という思いで、介護業界に転職しました。10数年間でケアマネージャーまでキャリアアップしてきましたが、決して順調だったわけではありません。新人時代、認知症の方に拒否されてばかりの時があって、きつかったですね。どんなに思いやりを持って接しても、食事も入浴も着替えも拒否。こちらの思いや言葉が届かず、すごく辛かった。「この仕事に向いてないかも…」と悩んでいました。「誰かのために」という思いが強すぎて、報われないことが辛かったんですね。これは、介護の仕事を志す人みんなに起こりがちなことだと思います。
でもやめずに続けることができたのはどうしてですか。
認知症がどういう心理になるものなのかを勉強したり、先輩方に親身に相談に乗っていただいたんです。そして、利用者様には利用者様の状況・感情・タイミングがあり、行動や気持ちのすれ違いはあって当然のことで、ましてや認知症の方は常に不安を抱えていて、大声を出したり攻撃的になることもよくあるんだということがわかり、前向きに乗り越えることができました。落ち込まず、自分を責めず、正しい接し方を学んだ上で向き合っていけば、認知症の方とでも、とても楽しいコミュニケーションを取ることができるって、わかったんです。
これから介護業界にはいるみなさんに、メッセージをお願いします。
私は最近子どもが生まれたばかりで、いろいろな利用者様に育児の相談をしています。戦争を経験し、厳しい時代を生き抜いてきた皆さんの言葉は、一つひとつに重みがあって、とても勉強になるんですよね。介護って、お金では買えない人生の勉強ができる職業だと思います。ぜひ皆さんも、人生の大先輩である利用者様とのコミュニケーションを楽しみ、介護職としても、人間としても、大きく成長してください。