はい。昔から「人の心」への関心が高く、看護師になれば精神科を深く学べると思い、中学卒業後に地元の5年一貫制の看護学校へ進学しました。看護師に憧れたというより、人の心と向き合える職業に就きたくて、看護の道を選んだんです。
お世話になった恩師から、「最初は一般病院で基礎を身に付けたほうが良いのでは?」とアドバイスを受けた時は、少しだけ迷いました。看護学校の中でも、就職先に精神科単科の病院を選んだのは私だけで、同級生はみんな一般病院を希望していたので、王道の進路ではないんだなと感じていました。
新卒を歓迎する精神科病院は、全国でも少ないですからね。でも当院は、独自の「新人研修制度」を確立し、毎年新卒を採用していて、ゼロから精神科看護のプロを目指せる環境を整えているんです。私は当院の見学に訪れてから、卒後一年目から精神科で働く迷いがなくなりましたよ。
看護部を統括する石川マネージャーの素敵な人柄に触れただけで、「この病院で働きたい」と思いましたね。新卒者のために、「新人チェックリスト」を活用したプリセプター制度を導入していることや、さまざまなテーマの院内研修が開催されることなども聞けて、安心して入職することができました。
はい。認知症病棟への配属は新卒の私への配慮で、内科的な疾患も抱える高齢患者様の多い環境で、心のケアだけでなく、基礎的な技術も身に付けていける環境を用意してくれたんです。最初は正直、精神科の病棟がいいなぁと思いましたけどね(笑)。
はい。採血・点滴・吸引など、ほとんどの入院患者様に医療処置が必要です。それに、認知症ケアも今の時代にすごく求められるスキルですから、正しい知識と理解が得られて成長につながっています。
そうですね。配属先の認知症病棟は「スーパー救急病棟」なので、重症度が高い方が多く、早期回復に向けて集中的な治療を行っています。目指すゴールは在宅復帰ですが、継続的なケアが必要な場合は、認知症の療養病棟へ転棟していただくんですよ。
大きな違いは、入院患者様の6割以上を3カ月以内に退院に導いていることです。認可を得るには厳しい基準を満たす必要があるため、全国でも数が少ない病棟なんですが、当院は9つある病棟のうち、5つの病棟でスーパー救急の認定を取得しているんです。
私も入職当初は、不穏な患者様にどう接したら良いかわからず、退院支援の難しさを感じました。でも、プリセプターの先輩と一緒に対応しながら症状の一つひとつを理解して、患者様の心を穏やかにする関わりを学んでいきました。
暴言・暴力がみられる患者様には、男性看護師が対応するようにしていますし、「CVPPP(包括的暴力防止プログラム)委員会」を立ち上げ、暴力行為に対して専門知識に基づいた対処ができるよう取り組んでいます。当院では、患者様にも職員にも安心・安全な環境づくりを進めているので、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。
患者様を「尊敬する気持ち」です。高齢者の方は人生の大先輩であり、認知症だからといってそれは変わりません。普段の会話の中でも、患者様に興味を持って、知らない知識や昔話を教えていただく機会を持つようにして、「すごいな、勉強になったな」という感動を、素直に伝えるようにしています。
患者様の笑顔を見られた時や、「ありがとう」という言葉が聞ける時です。認知症患者様は正直な反応をするので、怒りっぽい方が笑顔になる瞬間や、普段はお礼を言わない方が「ありがとう」と言ってくれると、良い対応ができたのかなって嬉しくなります。
新人研修は多職種と合同で、精神科の基礎知識を身に付ける「概論」と、さらに踏み込んだ知識を習得する「各論」が用意されています。各部門のスペシャリストレベルの先輩が講義を行うので、幅広い知識が身に付きますし、他職種と一緒に学ぶことで、「チーム医療」の実践にもつながっています。
はい。常に多職種チームで働くことを重視していて、職種間でスムーズな連携を図るためにも、入職1年目から他職種の視点・考え方を学んでいるんです。精神科の患者様がサポートを受ける流れや、各段階で関わる職種・求められるニーズ・移り変わる心情などを知ることは、すごく大切だと感じています。
疾患別のクリニカルパス(治療計画)の作成や、精神科認定看護師による勉強会の開催、患者様に快適な入浴時間を提供するための「お風呂プロジェクトチーム」の結成など、独自の取り組みが満載です。また、近隣には、デイケア、訪問看護ステーション、グループホームなどの関連施設もあり、退院後の生活まで支援しているのも特徴です。
人員配置が手厚く、他職種と役割分担を進めているので、業務に追われるような慌ただしさはありません。ワークライフバランスを大切にしている職場なので、ほぼ毎日定時で退勤できていますし、希望のお休みもしっかり取って、プライベートを楽しんでいますよ!