新人は新人らしくフレッシュに!
一生懸命さは、患者さんに伝わります。
一生懸命さは、患者さんに伝わります。
新卒から同愛記念病院に勤務されているそうですね。
はい。当院との出会いは、看護学校に向かう電車の中。当時は、両国国技館も江戸東京博物館もない時代で、電車の窓に映る大きな外観を見ては、ここで働けたらいいな~♪と、憧れていました。一般職から主任、師長、副看護部長と階段を登り、入職32年目に看護部長に就任。その間、結婚して2人の子宝に恵まれたのですが、当時は今と違って産休日の調整ができたので、出産寸前まで働き、「生まれるー!」っと、慌てて産科に駆け込んだんですよ(笑)。
すごいですね(笑)。新人時代の失敗談を聞かせてもらえますか?
山ほどあります(笑)。よく覚えているのは、夜勤中に採血した十数名分の検体を、全て凝固させてしまった時のこと。先輩からはこっぴどく叱られましたが、患者さんは「しょうがないね~(笑)。ほら」と、優しく腕を差し伸べてくれる方ばかりで、全員分を取り直すことができました。あと、血管が極細の患者さんを受け持っていて、毎回点滴を失敗してしまい、いつも先輩に代わってもらっていたことがありました。失敗し過ぎて患者さんの顔を見るのも辛かったのですが、ある日一回で成功した時、その方から「ありがとう」という言葉をいただいたのです。「それは私のセリフです~」と、心の中で叫んだと同時に、「患者さんのためにもっと頑張らなくちゃ!」と、熱い闘志を燃やしたのを覚えています。
素直で一生懸命な新人さんだったんでしょうね。
新人時代は、失敗して患者さんに迷惑をかけることが多く、本当に辛いと思います。でもね、当時の私がそうだったように、こちらの一生懸命さが伝われば、患者さんはむげに怒ったりしないんです。新人なのに知ったかぶったり、自分を大きく見せようとしたりせず、ありのままの自分で向き合うことが一番大事。新人は新人らしく、初々しくて緊張気味で、ちょっと不器用くらいでいいのです。そういう心が清らかな人と、私は一緒に働きたいなと思います。