相手を思いやる心を磨き続けて欲しい。
新人時代は、「看護師は笑顔が基本」と思い、技術は未熟でも常に笑顔を心がけていました。でも、先輩の指導を受けている最中にまで笑顔でいて、「ヘラヘラしないで!」と、一喝されてしまったことも…(苦笑)。表情は場面によって使い分けなくてはいけないと、すごく反省しましたね。とはいえ、初めて看取りを経験した時は、やはり自分の表情や感情をコントロールすることはできませんでした。その患者様との思い出も、病室のベッドの位置も、亡くなる最期の瞬間も、いまだによく覚えています。
ええ、ずっと忘れられません。新人時代は、死に対する衝撃や戸惑いが大きく、簡単に受け入れることができませんでした。きちんと向き合えるようになるには、いろいろな人生経験が必要だと感じます。「生老病死」という仏教用語があるように、人は誰しも、「生まれる・老いる・病む・死ぬ」という4つの苦悩を抱えていると言われています。看護師って、他人の「生老病死」に直接関わっていく仕事なので、精神的なショックを受ける経験も避けては通れないんです。患者様の苦痛を理解し、寄り添うことこそ看護の原点で、私は、相手を思いやる気持ちは必ず通じると信じて仕事に臨んでいます。
私が「あそか病院」と出会ったのは、1997年。当時は子どもが小さかったので、近所で少しだけパート勤務ができればと、あまり長居するつもりもなく入職しました。それなのに、気付けばもう入職20年以上になりました(笑)。長く務めてこれたのも、責任ある役職を引き受けたのも、一緒に働く仲間に恵まれたから。社会人になったら、周りの先輩・同僚への「ありがとう」の気持ちを忘れずに、支え合うチームワークを心がけていきましょう!